ひでぽんの司法試験あれこれ
旧司法試験をメインテーマに、その対策や分析について、徒然なるままに書いていきたいと思います。
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19年度論文本試験出題の趣旨
皆様の暖かい応援の甲斐あって、
19年度旧司法試験に、無事最終合格
することが出来ました!

本当にありがとうございます!!


さて、ホームページ上で、今年の試験の結果の
資料を参照したところ、本年度の論文試験の
出題の趣旨も発表されていました。

相変わらず、取ってつけたような、極めて不親切な
代物ではありますが、試験委員の本音が覗ける
唯一の資料であり、やはり徹底的な検討は必要だと
思います。

以下に引用しておきます。

大雑把に見てみたところ、それほど
意外性のある部分は少なかったですが、
いくつか気になる点もあり、検討してみる
必要がありますね。


【憲 法】
第 1 問
 A市では,条例で,市職員の採用に当たり,日本国籍を有することを要件としている。この条例の憲法上の問題点について,市議会議員の選挙権が,法律で,日本国籍を有する者に限定されていることと対比しつつ,論ぜよ。
(出題趣旨)
 本問は,外国人の公務就任権及び地方議会議員の選挙権について,外国人の人権享有主体性,それぞれの権利の性質,国民主権原理と地方自治との関係などを踏まえて論理的に記述することができるかどうかを問うものである。

第 2 問
 「内閣は,条約を締結する際,その条約の合憲性について,最高裁判所の見解を求めることができる。最高裁判所が違憲であるとの見解を示した場合は,内閣はその条約を締結することはできない。」という趣旨の法律が制定されたと仮定する。この法律に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。
(出題趣旨)
 本問は,内閣が条約を締結するに際し,その合憲性について最高裁判所の見解を求めることができるかという点について,違憲審査権の性格,司法権の意義,憲法と条約の関係,国会の条約承認権等に関する基本的理解を踏まえながら,論理的記述ができるかどうかを問うものである。

【民 法】
第 1 問
 買主Xは,売主Aとの間で,Aが所有する唯一の財産である甲土地の売買契約を締結した。ところが,XがAから所有権移転登記を受ける前に,Aは,Bに対して,甲土地について贈与を原因とする所有権移転登記をした。  1  上記の事案において,(1) AB間の登記に合致する贈与があった場合と,(2) AB間に所有権移転の事実はなくAB間の登記が虚偽の登記であった場合のそれぞれについて,Xが,Bに対して,どのような権利に基づいてどのような請求をすることができるかを論ぜよ。
 2  上記の事案において,Bは,甲土地について所有権移転登記を取得した後,Cに対して,甲土地を贈与し,その旨の所有権移転登記をした。
 この事案において,(1) AB間の登記に合致する贈与があった場合と,(2) AB間に所有権移転の事実はなくAB間の登記が虚偽の登記であった場合のそれぞれについて,Xが,Cに対して,どのような権利に基づいてどのような請求をすることができるかを論ぜよ。
(出題趣旨)
 本問は,不動産に関する特定物債権の債権者について,二重譲渡関係が生じた場合とそうでない場合のそれぞれに関して,登記なくして物権変動を対抗できる第三者の範囲並びに債権者代位権及び債権者取消権の行使の可否の論述を通じてこれらの法理の理解を問い,さらに,転得者が生じた場合の法律構成の能力や権利外観法理に関する理解を問うものである。

第 2 問
 Aは,平成18年4月1日に,Aが所有する建物(以下「本件建物」という。)をBに「賃貸期間平成18年4月1日から平成21年3月末日までの3年間,賃料月額100万円,敷金500万円」の約定で賃貸し,Bは,敷金500万円をAに支払い,本件建物の引渡しを受けた。Bは,平成19年4月1日に,Aの承諾を得て,本件建物をCに「賃貸期間平成19年4月1日から平成21年3月末日までの2年間,賃料月額120万円,敷金600万円」の約定で転貸し,Cは,敷金600万円をBに支払い,本件建物の引渡しを受けた。その後,平成19年7月1日に,AとBは,両者間の本件建物に関する建物賃貸借契約を合意解約すること,及び合意解約に伴ってAがBの地位を承継し,Cに対する敷金の返還はAにおいて行うとともに,平成19年8月分以降の賃料はAがCから収受することを合意した。そして,Bは,Aに預託した敷金500万円の返還を受けて,Cから預託を受けた敷金600万円をAに交付するとともに,Cに対して,AB間の上記合意により平成19年8月分以降平成21年3月分までのCに対する賃料債権全額をAに譲渡した旨を通知した。
 以上の事案において,CがAB間の建物賃貸借契約の合意解約に同意しない場合,Cに対する賃貸人がAとBのいずれであるかについてどのような法律構成が考えられるか,また,Cに対して敷金返還債務を負担する者がだれかについてどのような法律構成が考えられるかに言及しつつ,BC間及びAC間の法律構成を論ぜよ。
(出題趣旨)
 適法に建物の転貸借がされた後に,賃貸人と賃借人(転貸人)が転借人の同意を得ないで,①原賃貸借契約の合意解約をし,これとあわせて②転貸人たる地位の移転の合意,③敷金返還債務の引受の合意,④転貸賃料債権譲渡の合意をした場合,これらの合意によって転貸借関係はどうなるか,その前提として,①ないし③の合意に転借人の同意を要するか否かについてどのような法律構成が考えられるかを検討させることを通じて,基本的知識の理解と論理的思考力,判断能力を問う問題である。

【商 法】
第 1 問
 甲株式会社は,ホテル業を営む取締役会設置会社であり,代表取締役会長A及び代表取締役社長Bのほか,Bの配偶者C,弟D及びAの知人Eが取締役に就任している。
 乙株式会社は,不動産業を営む取締役会設置会社であり,代表取締役Cのほか,B及びDが取締役に就任している。
 Bは,大量の不稼動不動産を抱えて業績が悪化した乙社を救済するため,同社の所有する土地(以下「本件土地」という。)を甲社に5億円で売却しようと考え,その承認のための甲社取締役会を招集した。入院中のAを除いたB,C,D及びEの4名が出席して取締役会が開催され,当該取締役会において,Bが本件土地の売買についての重要な事実を開示してその承認を求めたところ,Eから5億円の価格に難色が示されたものの,Bからバブル時代の土地価格を考えれば5億円の価格は決して高くないとの発言があっただけで,価格の相当性について議論がされることはなく,Cを議決に加えずに採決が行われた結果,Eは棄権したが,B及びDの賛成により本件土地の購入が承認された。
 そして,Bは,甲社を代表して,乙社との間で本件土地を5億円で買い受ける売買契約を締結し,所有権移転登記手続と引換えに代金5億円を支払い,さらに,遅滞なく,本件土地の売買についての重要な事実を甲社の取締役全員が出席する取締役会で報告した。
 その後,上記売買契約当時の本件土地の価格は,高く見積もっても3億円を超えないことが判明した。
 甲社は,A,B,C,D及びEに対し,それぞれどのような責任を追及することができるか。
(出題趣旨)
 本問は,取締役会の承認決議を経て行われた利益相反取引によって会社に損害が生じた場合について,利益の相反する取締役,当該取引を行った取締役並びに承認の決議に賛成した取締役,棄権した取締役及び欠席した取締役がそれぞれどのような要件で会社に対して責任を負うかを理解しているかを問うものである。解答に際しては,特別の利害関係を有する取締役の範囲と本件承認決議の効力,利益相反取引の効力及び会社の損害についても,論述する必要がある。

第 2 問
 運送業を営むA株式会社は,小規模で同業を営んでいるB株式会社に自らの業務の一部を委託していた。B社では,これまで自らの商号によってその事業を行ってきたものの,仕事を得ることが難しくなってきた。そこで,A社は,B社の代表取締役Cに対し,「A社副社長」の肩書を付した名刺の使用を許諾し,さらに,B社は,事務所にA社の商号を表示した看板も掲げて事業を行うようになった。
 その後,B社は,次第に資金繰りが悪化し,事業の継続が事実上困難となってきたが,Cは,上記の名刺を用いて,DからB社の事業に用いている自動車の部品を100万円で購入し,Dは,B社の上記事務所において,相手方をA社と誤認して,当該部品を引き渡した。しかし,その代金は,Dに支払われなかった。
 Dは,A社,B社及びCに対し,それぞれどのような責任を追及することができるか。
(出題趣旨)
 本問は,役員である旨の肩書の付与により他社の商号の使用の許諾を受けた株式会社の代表取締役が第三者と取引を行って損害を与えた場合について,当該他社,当該株式会社及び当該代表取締役がそれぞれどのような根拠で第三者に対して責任を負うかを問うものである。解答に際しては,当該他社の名板貸人としての責任,当該株式会社の契約責任及び当該代表取締役の第三者に対する責任について,整合的な論述をすることが求められる。

【刑 法】
第 1 問
 甲,乙及び丙は,事故死を装ってXを殺害しようと考え,丙がXを人けのない港に呼び出し,3名でXに薬剤をかがせて昏睡させ,昏睡したXを海中に投棄して殺害することを話し合って決めた。そこで,丙は,Xに電話をかけ,港に来るよう告げたところ,Xはこれを了承した。その後,丙は,このまま計画に関与し続けることが怖くなったので,甲に対し,電話で「待ち合わせ場所には行きません。」と言ったところ,甲は,「何を言っているんだ。すぐこい。」と答えた。しかし,丙が待ち合わせ場所である港に現れなかったので,甲及び乙は,もう丙はこないものと思い,待ち合わせ場所に現れたXに薬剤をかがせ昏睡させた。乙は,動かなくなったXを見て,かわいそうになり,甲にX殺害を思いとどまるよう懇請した。これを聞いて激怒した甲は,乙を殴ったところ,乙は転倒し,頭を打って気絶した。その後,甲は,Xをでき死させようと岸壁から海中に投棄した。なお,後日判明したところによれば,Xは,乙が懇請した時には,薬剤の作用により既に死亡していた。
 甲,乙及び丙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。
(出題趣旨)
 本問は,3名の者が,被害者に薬剤をかがせて昏睡させた上,海中に投棄して殺害することを共謀したが,1名が薬剤をかがせる前に,もう1名が海中に投棄する前に計画から離脱し,残る1名が海中に投棄したものの,後刻被害者は海中に投棄される前に死亡していたことが判明したという事例を素材として,事案を的確に把握してこれを分析する能力を問うとともに,いわゆる早すぎた構成要件の実現及び共犯関係からの離脱等の問題に関する理解とその事例への当てはめの適切さを問うものである。

第 2 問
 甲は,交番で勤務する警察官Xに恨みを抱いていたことから,Xを困らせるため,Xが仕事で使っている物を交番から持ち出し,仕事に支障を生じさせようと考えた。そこで,甲は,Xが勤務する交番に行き,制帽を脱いで業務日誌を書いているXに対し,「そこの道で交通事故があって人が倒れています。」とうそを言った。これを信じたXは,制帽と業務日誌を机の上に置いたまま,事故現場に急行するため慌てて交番から出て行ったので,甲は,翌日まで自宅に隠しておいた後返還するつもりで,交番内からXの制帽と業務日誌を持ち出し,自宅に持ち帰った。
 その日の夜,甲は,知人の乙と会い,「警察官を困らせるために交番から制帽と業務日誌を持ち出してきたが,もういいから,明日こっそり交番に返しておいてくれ。」と言ったところ,乙が,甲に対し,「警察官の制帽なら高く売れるよ。」と言ったので,甲は,業務日誌だけを乙に渡し,制帽については,Xに返すのをやめ,後に売るために自宅に保管しておくことにした。翌日,乙は,この業務日誌を持って交番に向かったが,その途中,このまま返すのが惜しくなり,この機会にXに金を出させようと思った。そこで,乙は,交番に着くと,Xに対し,「この業務日誌を拾った。マスコミに持って行かれたら困るだろう。10万円出せば返してやる。」と言ったが,Xは,これに応じなかった。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。
(出題趣旨)
 本問は,甲が,交番で勤務中の警察官を困らせるため,虚構の事故を申告し交番から出動させて制帽と業務日誌を持ち出した後,業務日誌の返還を依頼された乙が警察官に金銭を要求したという事例を素材として,事案を的確に把握してこれを分析する能力を問うとともに,偽計等を用いて公務を妨害した際の擬律,不法領得の意思の要否及び盗品等運搬罪等に関する理解とその事例への当てはめの適切さを問うものである。

【民事訴訟法】
第 1 問
 裁判所が争点整理又は事実認定に関して専門家の協力を必要と認めるときに,これを可能にするため民事訴訟法が定める方法について,各方法の目的及び内容の相違を明らかにしながら論ぜよ。
(出題趣旨)
 専門的知見を必要とする事件について民事訴訟法が用意する各種の制度(鑑定,専門委員,調査嘱託,鑑定嘱託,釈明処分としての鑑定,知財関係事件における裁判所調査官等)の理解を問うものであり,鑑定が専門的経験則又はそれを事実に適用した結果についての専門家の意見を証拠資料とするもので,当事者の申出を要すると一般に解されているのに対し,専門委員の説明は証拠資料ではなく,当事者の意見聴取を経れば専門委員を関与させられること等を論ずべきである。

第 2 問
 甲は,乙に対して貸金債権を有しているとして,乙に代位して,乙が丙に対して有する売買代金債権の支払を求める訴えを丙に対して提起した。  1  甲の乙に対する貸金債権の存否に関する裁判所の審理は,どのようにして行われるか。
 2  乙の丙に対する売買代金債権が弁済により消滅したことが明らかになった場合,裁判所は,その段階で,甲の乙に対する貸金債権の存否の判断を省略して,直ちに甲の丙に対する請求を棄却する判決をすることができるか。
 3  裁判所は,甲の乙に対する貸金債権は存在し,乙の丙に対する売買代金債権は弁済により消滅したと判断して,甲の丙に対する請求を棄却する判決を言い渡し,その判決が確定した。当該貸金債権が存在するとの判断が誤っていた場合,この判決の既判力は乙に及ぶか。
(出題趣旨)
 当事者適格の訴訟要件としての訴訟上の意義と,その審理のあり方を問う問題である。1では,当事者適格が職権調査事項としてどのように審理されるかを,その存否の判断資料の収集方法を中心に論ずべきである。2では,当事者適格の存否の判断を省略して直ちに請求棄却の本案判決をすることの可否を,見解の対立も踏まえて論ずべきである。3では,当事者適格を欠いていることを見誤った確定判決に,判決としてどのような効力が認められるかを論ずべきである。

【刑事訴訟法】
第 1 問
 警察官Aは,住居侵入被害発生の110番通報を受け,被害者B女方に赴いた。Bの説明は,「私はこの家に一人で住んでいます。先ほど居間で夕食をとっていると見知らぬ男がかぎの掛かっていない玄関から居間に上がり込んできました。悲鳴を上げるとその男は何もせずに逃げて行きましたので,すぐに110番しました。」というものであった。
 そこで,Aは,Bとともに付近を捜したところ,上記通報から約30分後に,B方から約200メートル離れたコンビニエンスストアで雑誌を立ち読みしている男性甲をBが認め,「あの男です。」と指示した。その直後,甲が同店から出てきたので,Aは,同店前路上において,甲に対し職務質問を開始した。甲の外見からは本件住居侵入を犯したことをうかがわせる証跡は認められなかったものの,甲がAの質問には何も答えずに立ち去ろうとしたことから,Aは,同所で,甲を本件住居侵入の現行犯人として逮捕した。さらに,Aは,その場で甲の身体を捜索し,着衣のポケットからカメラ機能付携帯電話,名義の異なる複数のクレジットカード及び注射器を発見したため,これらを差し押さえた。
 以上のAの行為は適法か。
(出題趣旨)
 本問は,捜査において重要な端緒となる現行犯逮捕を題材として,現行犯逮捕及び逮捕の現場における捜索差押えが許容される趣旨・要件に関する基本的な理解を問うことによって,捜査についての基本的知識の有無と具体的事案に対する応用力を試すものである。

第 2 問
 検察官は,甲を,「被告人は,乙と共謀の上,平成19年3月4日,東京都内のX公園駐車場の自動車内で,殺意をもって,被告人において,Aに対し,その頸部をロープで絞め付け,よって,そのころ,同所で,Aを窒息死させたものである。」との事実で起訴した。甲は,公判において,「自分はその場にいたが,犯行に関与しておらず,本件は,乙とは別の男がやった。その男の名前は知らない。」旨弁解して無罪を主張した。
 証拠調べの結果,裁判所は,乙とは断定できないが,現場に共犯者がおり,これと甲が共謀したことは明らかであるとして,「被告人は,氏名不詳者と共謀の上,平成19年3月4日,東京都内のX公園駐車場の自動車内で,殺意をもって,被告人又は上記氏名不詳者あるいはその両名において,Aに対し,その頸部をロープで絞め付け,よって,そのころ,同所で,Aを窒息死させたものである。」との事実を認定し,有罪判決を言い渡した。
 以上の手続における問題点について論ぜよ。
(出題趣旨)
 本問は,共犯者のいる殺人事件を題材として,訴因の意義・機能,共犯者と実行行為者をめぐって生じる訴因変更の要否,裁判所による罪となるべき事実の判示としての概括的認定の可否等について,基本的知識の有無と具体的事案に対する応用力を試すものである。



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